好きな事に引っかかったら居てもたってもいられない性格の私と、何よりも大切なしかも自我の塊の子どもとの共存に苦しむ日々が始まった。
「あれも作ってみたい、これも作ってみたい、思ったら即実行!すぐに結果が見たい。」 この性格が厄介の原点なのだ。 興味のないことには、全く反応を示さないのに対し、興味をそそられたら、気持ちがはやって、そわそわして、 もうもう獲物を狙うヒョウかという具合になってしまう。 しかし、まずは子供優先。このくらいは、いちお大人だから私だってわかる。 全ては、子供が寝た時間だけが、私に許された時間なのだ。 だけど、寝た時間は、家族の食事作りや掃除、洗濯など家事をやってしまわなければならない時間でもあった。 そうなると、遊ばせながら、横で泣かせながら、ついつい作りたいものに手を出してしまっていた。 夫が帰宅したら、さあ、私の時間とばかりに、子供のことはお願いして、夜中まで作りまくるという事になっていった。 子供との繋がりの中で、一緒に遊ぶママたちとパーテイーをして、私の作ったものを食べてもらったりもしていた。 しかし、それを準備している間は、子供は泣きまくってるし、あやしながら作ると全然楽しくない。作りたいのに作れない、仲間とご飯を囲むという大好きな空間を作り出せない、何にも達成出来ない。 東京までスクールに通ったのに、全然先に進めないじゃないかと、思いだけが膨らみっぱなし。 どんどんストレスがたまっていく。 その頃の私は、全く子供。自我の塊は、私。 だが、当時はそんなことは、全然気づいていなかった。 夫だって、仕事が大変なのに、私は自分のしたい事のために、ものすごく協力してもらっていた。 しかも、当たり前のように・・・。 そんな毎日を繰り返していると、このもんもんとした日常に、光が降りてきた(笑) いつものように公園で遊んでいると、金髪のアメリカ人の親子がブランコに乗っているではないか!!!! 「こっこれは・・・!この親子は・・・」と目を見開いて振り向き、すぐさま話しかけた。 すると、私達と同じマンションに住んでいるという。(当時は、借り上げ社宅のマンションに住んでいた) 最近、旦那さんの仕事の駐在で、アメリカから来たということだった。 子供の年齢も同じで、私たちは、すぐさま友達になった。 この出会いは、その後の私の料理人生に、大きな影響を与えることとなる。 この話は料理教室でも、たびたび皆さんにお話してきたことですね。 はじめは、アメリカ人だから、料理しないんだろうなと思っていた。 ところが、大の料理好きなアメリカ人だったのだ! しかも、マーサ・スチュワート大好きアメリカ人! これが、私とケリー(このアメリカ人ね)の距離をぐっと縮めた。 私も、料理は出来なかったが19、20歳位の頃から、このマーサ・スチュワート様にはまっていたのだ。 私が19,20歳のころ、BS放送でマーサの番組をやっていたのだ。 アメリカのカリスマ主婦と言ったところだが、現在は完璧にカリスマのビジネスマンですな。 彼女の番組は今もやっていますが、雑誌や本もたくさんあります。 ケリーは、マーサがチョイスした音楽のCDも持ってたし、とにかくレシピをよく試して作っていた。 私たちは、意気投合して、毎日のようにお互いの料理を交換した。 私は、外国に住んだ経験はないが、ケリーの家族が日本に居てくれたお陰で、ホームステイをしているような経験が出来た。 彼女とレシピを交換しあうので、料理用語の英語を勉強し、そのお陰で英語の料理本が読めるようになった。 これは、今でも重宝している経験だ。 ケリーが作るアメリカ菓子は、どれもこれも絶品で、加えて伝統的に受け継がれてきたHOME MADEの味がした。 ケリーは、おばあちゃんや母から受け継がれてきたレシピ帳を持っていた。 その表紙には、私のケリーへと愛情たっぷりに書かれていた。 元来、私の食への憧れは、NHKで何度も何度も再放送されていた「大草原の小さな家」のキャロラインが家族のために作る食事から始まった。 ホーローの皿にシチューが盛られ、スプーンやフォークが当たる音、コーヒーをカップに注ぐ音、キャロラインが作るパンやパイ。 なんだが、それらがこの私のケリーへと書かれた古いレシピ帳に詰まっているように見えた。 常々、アメリカ人になりたいと言いまくっていた私には、ド・ストライクなことなのだ! この時点で、テンションは、フル・テンです(笑) ケリーと過ごす日々は、毎日が感動とサプライズと発見で、エキサイティングだった。 食事の招き方、お茶の時間、どれも自然で、さりげない。 この時の、私の富山での親友はケリーだったと言える。 つたない英語ではあったが、勘のいいケリーとは、心が通じ合えた。 もともと表現がオーバーだと周りに言われていた私は、アメリカ人の表現方法が、なかなかしっくりきた(苦笑) ケリーがいた2年弱の間、気負わず、かしこまらず、今のありのまんまの自分でお茶や食の時間を、仲間と持てばいいんだということを学んだ。 このことは、、当時、子育て中だった私にも、今、料理教室をしてる私にも、未来の自分がどうなろうとも、この気持ちをそばに置いておきたいと思う。 つづく
by maggoo_3days
| 2013-05-03 20:41
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