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10年ノート⑥

さてさて、ケリー家族が帰国してから、子供は2歳半になっていた。
もうすぐ、入園というとこまでこぎつけた(笑)
寂しい気持ちと自分の時間が持てるという複雑な気持ちが混じりあう時期だった。

富山に来て、また貴重な出会いをした人の一人Mちゃん。
常々、お互いの好きなことなどをよく話していた。
この日もそんな話をしていたと思う。いつものように・・・。
ひょんな流れから、お互いに積もり積もっている自分が貯めてきているものを、表に出したいねなんて話になった。

そう!話になった、思っちゃったってことは、前述でも書いたが、思った=やるのだ。
当時、私には、一緒に食のことを一緒に取り組んでいた友人がいた。
Mちゃん、もう一人の友人、私の3人で3日間のカフェをやろう!ということにいっきに話が進んだ。
この時は、家族の承諾や子供をどうするのかなど、全く考えてなく、どんなふうにしようかということで頭がいっぱいになって、話はどんどん盛り上がっていった。

のちに、このゲリラ的カフェの一件は、我が家には大変な騒動となり(いや町内の皆さんも巻き込んだ!)、子育てをしていくことにおいても、夫婦としての基盤、自分の生き方にも一石を投じる経験となるのだった。

場所は、探しているうちに山にある廃校を借りることとなった。
規模的にもちょうど良く、廃校はノスタルジックで完璧な雰囲気をかもし出してくれた。
借りるを実現するには、また主婦という看板が信用の無さを立ちはだかって困難を要したが、思いひとつと
自分たちの気持ちを熱く語って、なんとか3日間だけ借りることが出来た。

Mちゃんは、今はバッグ作家だが、当時はインテリアの才能を発揮しており、カフェの空間を見事に彩ってくれた。コーディネートする力は、インテリアにとどまらずで、彼女の手にかかれば、全てがMスタイル。
誰にもまねできない、誰にも似てない、彼女独自の世界。

フードの私達といえば、欲張り過ぎるほどのメニューを考え、コーヒーは中川ワニさんの豆を仕入れ(当時は雑貨屋さんの私の部屋を通じて、沢山買うことが出来た)、富山市内のカフェにカプチーノマシンや備品の貸し出しを取り付けたりと、勢力的に動きまわった。
メニューの試作も繰り返し、夜な夜な夫の協力をもとに子供の世話を頼んで、ひたすらカフェに向けて、動いていた。

毎日、公園で遊んでいるママ友も、応援してくれていた。

宣伝にも余念はなく、富山市内のショップにフライヤーを置いてもらい、テレビ局の密着取材の申込まで受けた。
テレビ局の密着は1週間以にわたり、私達家族に夜も朝もなく密着して、この時、テレビの仕事って24時間体制なんだと改めて、大変さを知った。
私達もだんだんと慣れて、カメラやマイクを意識しなくなっていった。

しかし、この準備のヘビーさと言ったら、だんだんおもしのようにのしかかってきた。
私は、いい。自分のしたい事に突き進んでいるのだから。
問題は夫だった。

仕事もある中、疲れて帰ってきても、なんのねぎらいもなく子供をあてがわれ、休日もずっと子供と二人で居てくれて、私は、夫婦なんだから私のしたいことに協力するのは当たり前という態度でいるのだ。
なかなか夜寝ないうちの子供は、試作を繰り返していると邪魔をするので、夫は夜遅くまでイオンに子供と出かけて、寝かせて帰って来たりしていた。
朝は朝で、出勤ギリギリまで子供を遊ばせに電車を見に行ったり、公園で遊んだりと私の時間を確保するために最善のことをしてくれていた。
3日間とカフェの前日の4日間、私は子供を、一時預かりに預けようと思っていたが、それがある理由でかなわないことになった。
これは、大変だ、じゃあ誰が子供を見るんだということになる。
こうなると、夫に会社を休んでもらうしかなくなる。

はい、そうです。ここで夫も限界が来ました。
大爆発です・・・・。
                                                       つづく
by maggoo_3days | 2013-05-11 13:47
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